クレーマーの効率的な対応方法

クレームはお客様と仲良くなれるツール

ネットショップだけに限った事ではありませんが、避けて通れないのがクレーマーの対応ですよね。運営していく上では可能な限り避けたい内容ですが、タイミングが悪いとその事だけに時間も労力も費やしてしまいます。

そこで、ここではどうしたら効率よく対応できるのか、私の十数年のショップ経験を踏まえてまとめてみました。悪質なクレーマーやしつこいクレームで苦悩しているショップの一助になれば幸いです。

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早めのクレーム対応

クレームを言われたりすると本来の作業にも支障をきたして気分的にもあまり良くないですよね。 だからと言って逆にクレームを断固拒否していると、その後の運営に支障をきたすこともあります。ありもしない事をネット上で書き込まれたり、 どこかのサイトで誹謗中傷されたりとややこしくなる場合もあるからです。なので効率よく早めに対応した方が得策なのです。

避けるより受ける

クレーマーは避ければ避けるほど迫ってきます。クレーマーの本質です。

さっそくですがキャッチボールをイメージしてください。投げてきたボールをキャッチしてまた返す。

ところが投げてきたボールを無視してたら、投げてくる方も益々熱くなって、避ける方へ避ける方へとどんどんボールを投げてきます。だったらもういっそのこと受けて素早く返した方が早いですよね。

クレームも同じ事で、 投げてきたボールを早めにキャッチすれば、相手をカッと熱くさせることなくスムーズにいくという事です。沸騰した水が冷たい水に戻るまで時間が掛かるように、一度興奮した人間を覚ますまでには時間が掛かります。

ですので「避けるよりも早めに受け取る」方が早く解決するんです。

一工夫した対応法

最近では「どれだけ使っても、30日間返金保証!」とかやってますよね。これって気に入らなければ返金しますとも取れますよね?

ということは、ネチネチしつこいクレーマーに対しても文句を言わせない効果があるのではないでしょうか。要するにクレームを付け難い方法なのでしょう。

こうすることでクレーマーの中のクレーマーを洗い出しする効果もあると思います。

ただし商品によっては30日間も保証は付けられないものもあります。生鮮食品もそうですし、洋服も売り時期があるのでそんなに猶予を取る事はできません。

ペースを変える

所詮クレーマーだからと思い込まないでちょっとダンマリするのは止めましょう。相手も人間なので、こちらがダンマリするほど苛立たせてしまうだけです。

大手の企業などは専門の「コールセンター」があります。ある意味で「苦情センター」とも言えます。しかしコールセンターのように、個人で苦情をまともに受けてたら心身共に持たないです。

ではどうすれば良いかというと、「相手の話しを聞きながらペースをこちら側に持っていく」のです。難しいように思えるかも知れませんが、コツを掴むと簡単なんです。

そのコツとは、「カウンセラーになる」ことです。

例えるなら、相談に乗ってあげる感じです。最初は相手も熱くなっている(演技だとしても)ので、一方的に話しを進めてくるでしょう。でもその中で相づちを打てば、相手も聞いてくれているんだと心理的に感じます。そして話しの内容に共感してあげることで、相手にとっては気持ちが落ち着き始めるので、こちらのペースに持って行きやすくなります。

ショップを印象付ける

クレーマーと言えど、商品購入までの高いハードルを越えてきたお客様です。それを一度のクレームで突っ撥ねるのは非常にもったいないです。対応次第で、後に再度購入してくれるお客様に変わるんです。

何より「返品もしっかり受付ける親身なショップ」と印象を与えられれば、新規のお客様を一から取り込むよりもはるかに効率が良く、無駄なコストも労力も必要ありません。そして既に一度ショップで購入して覚えてもらっているのですから、わざわざ集客をしなくても向こうから訪問してくれます。

ここはせっかくのご縁なので、ただうるさいクレーマーに留めず、相手の心の中にショップの印象を植え付けましょう。

迅速な解決方法

クレーム対応には何のツールを使っていますか?私の場合はあまりメールは使いません。なぜならメールには思いや内容が一方向的に成りがちで誤解が生じ易いのと、応答までの時間差があるからです。

メールですぐに解決してしまう内容なら、メールだけで良いとは思います。しかし複雑な内容にはメールは不向きに感じます。

お客様の立場に立つと分かるのですが、質問が返ってこない時間が長ければ長いほど余計に不安になります。ショップの時間とお客様の時間には違いがあります。ショップの多忙さはお客様には知る由がありません。

なので複雑な内容は電話をすると案外スムーズに解決する事が多いのです。しかしお相手によってはお話が直ぐに出来る状況ではない場合もあります。そういう時はまたしつこく電話をせずに留守番電話などに記録を残しておいて、相手から連絡が来るのを待つのがベストです。

何も電話だけに限ったことではありませんが、相手との時間差を少しでも縮めてあげることだけでも、双方にとって迅速に解決する近道になります。

相手との関係性を理解する

クレームに時間なんて割けない!と思うのは誰もが思います。もちろん時間なんて割く必要はありません!

と言いたいところなのですが。。。お客様との関係性を考えてみてください。

お客様からするとショップとの関係は1対1。でもショップからするとお客様へは1対多の関係です。お客様とショップの立場は異なります。ここでお客様とどれだけ1対1の関係が築けるかが重要になってきます。

この1対1の関係が築けると、後にそのお客様に繋がっている未知の人々にもアプローチすることが可能になります。つまり、その一人のお客様がお知り合いにショップを宣伝してくれることにも繋がるんです。

この関係性を理解すると、クレーマーは意外にも侮れない存在になってきます。

ですので、一対一の関係性ということを念頭に置いて対応を心掛けるようにしたいですね。

否定文言は逆効果

昨今、多種多様の商品がネットを通じて販売されていますが、その中で「ノンクレーム」を前提にしているショップでよく見かけます。要するにクレーム言わないでね、ってことですね。

特に洋服の場合は試着ありきなのですが、ネット通販では試着が出来ません。ネットショップではそれが一番の難関になります。お客様にとって試着が出来ないというのはかなり高いハードルです。それでも商品を購入してくれる訳です。しかしその高い(試着が出来ない)ハードルがあるにもかかわらず、さらに「ノンクレーム」と条件を付けてしまうと、よほど買い慣れた人か勇気のある人でない限り、購入はしてくれないはずです。

安くしてるから条件を付けても売れると感じているのであれば、それは間違いです。商品の魅力と条件と対価のバランスが取れているだけであって、言い換えれば、そういう商品しか扱っていないと勘違いされるショップになってしまいます。のちに仕入れた商品を正規の価格で販売したくても、条件が緩い他店に横取りされることにもなります。

商品によってバランス良く否定文言を並べるのは良いと思いますが、過度にやり過ぎると、「時すでに遅し」となることもあるので注意が必要です。

まとめとして

ここに挙げたものが全てではありません。そのショップ独自の対応方法を見出せればとても素敵なことだと思います。

一般にクレーマーはタチが悪いとイメージしがちですが、案外そうじゃないことが多いんです。ネット通販は対面販売ではないので相手の状況が分かりづらいですが、その相手も同じように、こちらの状況が分かりづらいのです。

ですので時間をかけて知ってみればお互いに納得することが多く、 後に仲良くなることが多大にある「大切なツール(手段)」だと思うのです。

クレーマーは時に有り得ないくらい非常識な方もいます。でもそういう人は何十年と運営してきて二、三人程度です。万が一、そんな人に当たってしまっても怯む必要はありませんよ。長期戦に持ち込まないで早めに対処しちゃいましょう。

こちらも相手も同じ人間です。繋がるきっかけは意外にもひょんな所にあるものです。クレームを機会にぜひ仲良くなりましょう。仲良くなりたくない人は勝手に去っていきますからね。

クレーマーの考え方や捉え方、見方や受け方を変えるだけでも、今までとはかなりの感覚の開きが出てきたと思います。これが少しでもショップ成功のプラスになれば幸いです。頑張って!

 

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