アパレル商品のパクリとコピーの実態
斬新で個性を際立たせたファッションアイテム。
MD、デザイナー、パタンナー、工場などが連携し、
豊富な経験と巧みなテクニックによって、
とても素敵なアイテムが数多く世に送り出されます。
オリジナリティーには非常に敏感なアパレル業界なのですが、
俗に言われるパクリ商品やコピー商品が出回ることが多々あります。
なぜパクリ商品やコピー商品が出回ってしまうのか。その実態をお話しします。
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コピーブランドのうわさ
今はスーパーコピーなんて商品も多くありますね。
素人目ではまったく分からない手の込んだモノが多く出回っています。
もちろん売っても買ってもダメ!作ってもダメですよ!
ここでは売り買いの話しではなく、私が小耳に挟んだお話をしてみようと思います。
そもそもコピー商品って何であんなに多く出回っているんでしょうね。
不思議に思ったことはありませんか?
高級ブランドの本家がしっかりと取り締まってもおかしくないのに、
特にこれといって大きな取締りはない。。。
新作が出れば瞬く間にコピーの新作が販売される。
コピー商品が出回るのを逆に考えると、コピーする人が居て、コピー商品を作る人が居て、
それも1個や2個とかのレベルではなく、何十、何百というレベル。
1個や2個だったら個人的に作ってるんだろうなと思うのですが、
何十、何百でしかも商品として立派に成り立ってしまっているという事実。
そこで私が小耳に挟んだ話なのですが、
噂では、本家がわざと作らせているという話しを聞いたことがあります。
なぜかと言うと、コピー商品を見逃すことで、
本家のブランドの価値や高級感を引き立たせる狙いがあるらしいのです。
ダイヤモンドで例えるとしたら、
ダイヤの高級感と価値は、キュービックジルコニア(人口石)、スワロフスキー(ガラス)が一役買っているのかもしれませんね。
完コピメーカー
ほとんどのメーカーは独自の個性やオリジナリティー(独創性)を取り入れて生産します。
メーカーの本来の持ち味の部分ですね。
しかしアパレル業界には、
完全コピーで商売を行うメーカーも存在します。
通常のメーカーは数ヶ月前から商品の売れ行きの予想を立てて、
デザインや生地の選別など企画から生産までの工程を行い、
その時季に合わせトレンドを盛り込んだアイテムを販売します。
ですが完全コピーメーカーでは、
他メーカーの出来上がった商品を買い付けして後追いで生産をします。
そうすることで的を外すことなく、
売れ筋の商品を追い続けられることを実現しています。
買い付けた商品を見本として安価な工場に委託し、
安い生地素材に変えたり、ボタン位置だけを変えたりして、
できる限り生産の工賃を浮かせた商品を作ります。
そこから出来上がった商品を「うちの新作ですよ」とショップに卸し販売するのです。
見た目だけ重視の安価な商品を卸して利益を出しているのです。
アパレルメーカーは国内だけでも何百何千とあります。
その中のどれをコピーしているのかは、
ショップとしても細かく調べなければ分かりません。
そして彼らも超有名なメーカーを執拗には追いません。
完全コピーして訴えられる可能性があるからです。
パクリデザイナー
デザイナーはコンセプトを前提に作業していきます。
コンセプトはMD、ブランドマネージャー、営業などと綿密な打ち合わせの中、その時のコンセプトが決まります。
それを頭の中でイメージしながらデザインを起こしていきます。
そしてデザイナーはデザインを書くだけではありません。
普段から意識的に色んなものを吸収するべく、常にアンテナを張り詰めています。
ある意味ではとても物事に敏感でとても繊細です。
デザイナーはコンセプトに副って様々なデザインを起こしていくのですが、
デザインを起こす際に経験や価値観やインスパイアーされたモノが無意識にデザインとして出ることが稀にあります。
それはそれで一種の癖のようなものなので仕方のないことなのですが、
しかし残念なことにデザイナーと言っている方の中には、
他のデザインを真似てしまうパクリデザイナーがいるのも事実です。
デザイナーを生業としている以上、収入源がデザインなワケで、
イメージが湧かない時の精神的に追い込まれてしまう気持ちは分からなくもないですが、
やはりそこは妥協をしてほしくないですね。
コピーを感じさせる訳アリ商品
アパレルだとよくあることなのですが、
知らない方にとっては意外な事実かも知れないのでご紹介しますね。
それは、ショップオリジナルとして売ってた商品が、
「他店でも同じモノが売ってた」という商品です。
少し昔の話になりますが、
全国的にチェーン展開していた某有名ショップのお話しで進めてみます。
ここではっきりと名前を明かすことは出来ないので申し訳ないのですが、
でも強いて言うなら○○○○○○○とだけ(汗)←想像にお任せします。
今現在はどうかは分かりませんけど、
当時そのショップは専属デザイナーやパタンナー、工場も持っていませんでした。
販売力だけで物凄いチェーン展開をしていったショップなんですよね。
そこでどうやって運営していったかというと、
メーカーから超大口買い付けで販売するというやり方で、資本力でモノ言わすショップです。
1型一契約だけで何千万になるくらいの取引になるので、
取引き欲しさに複数のメーカーがこぞってスワッチやサンプルを持参してショップにあしげく通うわけです。
そして複数メーカーの中から見事選ばれれば大量発注が待っているわけです。
メーカーが通常商品を作る際は、メーカーの雰囲気を盛り込んできますけど、
このショップに納品する商品は例外で、ショップの雰囲気に合わせた商品をメーカーが作っていくんです。
またこのショップの凄いところは、
半端ないロットを発注する反面、容赦なく見切ることもしてきます。
納期にしても物凄く厳しく、1日遅れの納品でペナルティーを課せたりとかもします。
突然取引き中断になることだってあります。なのでメーカーもヒヤヒヤものです。
そんな中で、納品する予定だった商品がショップ側の厳しい理由で戻されることもあります。
しかし戻されてもメーカーからしたら大損失です。
既に上がっている何百枚、何千枚の商品が蹴られたとなったら死活問題です。
そこでメーカーもなんとか納品したいが為に、
取引き原価を下げたり、納品枚数を削ったりして再度納品の交渉をするのですが、
そこでまだ在庫として残ってしまった商品については、
メーカーが一枚一枚ネームタグを縫い換えて、他の取引先ショップに卸すのです。
その商品が他のショップの店頭で並んだ場合、
お客様からすると有名ショップのコピー商品に思われてしまいますが、
実はこれは在庫を大量に抱えてしまったメーカーからの依頼で、
商品を代行して販売しているという裏の事情があるんです。
ここにコピーと感じさせてしまう訳アリ商品の存在もあるのです。
まとめ
一口にコピーやパクリと言うのは簡単なことなのですが、
その先を見ると意外な事実もあるものです。
ふだん何気に観てるテレビでも、
ふだん何気に使うスマートフォンでも、
似たようなモノで溢れかえっているのも事実です。
アパレル商品もそうですが、
ちょっと位置をずらしただけの似たような洋服が販売されていますし、
それを決定的にコピーだと断言しづらいのも事実です。
そしてデザインのことだけではなく、
言葉(キャッチフレーズ)でも同じことが言えると思います。
今で言ったら「洗えるレディーススーツ」ですね。
「洗えるレディーススーツ」というフレーズも、
一番最初に発案したした人からしたら「コピーされた」ことになりますよね。
試しに楽天で「洗える スーツ レディース」で検索してみてください。
どれだけの数のスーツがヒットしましたか?
似たような商品がぞろぞろ出てきますよね。
その中で100%オリジナルと断言できるショップはどれくらいなのでしょうか。
結局のところ昨今のアパレル商品は残念なことに、
オリジナリティー(独創性)を失っているのかも知れませんね。