映画バタフライエフェクトの基であるカオス理論のバタフライ効果とは

バタフライエフェクト

映画バタフライエフェクトは、カオス理論の一つであるバタフライ効果(butterfly effect)の性質をユニークに取り入れた作品で、過去に起こる選択肢を変えることによって、異なるストーリーが展開していきます。そこで、この映画の基となっているカオス理論やバタフライ効果をわかりやすくまとめてみました。

スポンサーリンク

カオス理論

バタフライエフェクトの映画では、「カオス理論」がベースになっています。
カオス理論をざっくり言うと、「わずかな違いで予測ができない」ということです。

たとえば、天気予報を挙げてみましょう。

天気予報で明日の天気が雨だったとします。
でも雨が降ることを「絶対」とか「必ず」とは言いません。
必ずと言っていいほど、言葉の最後に「でしょう」と濁します。
「明日は雨が降るでしょう」といった具合です。

なぜこういう解説になるかというと、
天気で確率は導き出せても、確実な答えは出せないからなのです。

もちろん天気予報も勘や占いでやっているわけではなく、
最新のスーパーコンピューターを駆使して天気を予測しています。
でもそんなスーパーコンピューターをもってしても、
確実な答えをいまだに導き出すことができないのです。

たとえば、過去の統計をベースにして、
気温、湿度、風などの気象条件に、ありとあらゆる詳細なデータを駆使して、
明日の天気を予測するとします。
しかしスーパーコンピューターといっても、
初期の値を入力しなければ計算のしようがありません。
仮に25.0000000001℃の値を入力するとします。
明日の天気は晴れという答えが出ました。
では、25.0000000002℃の値を入力したとします。
すると明日の天気は雨という答えが出ました。
ほんのわずかな違いでこのようにまったく違う答えが出てしまうのです。

気象状況は刻一刻と多様に変化していきます。
数秒後には極々小さな変動が起こっています。
その極々小さな変動のわずかな違いがあるために、
確実な天気を予測することができないのです。

最初の極々小さな違いで予測ができない」これがカオス理論です。

最初の違いが大きく変わる「初期値鋭敏性」

カオス理論の一つに、「初期値鋭敏性」というものがあります。小難しい感じに聞こえるかもしれませんが、そんなに難しくないので覚えられますよー。

ここでサッカーボールを例に取ってみましょう。
一定の場所に置いたサッカーボールを蹴ったとします。
でも蹴るポイントや力加減によって、ボールはまったく違う方向へ飛んでいきます。
短い距離ならその差はほとんど感じないかもしれませんが、
遠くへと距離を飛ばすほど、その差に大きく違いが出てくるのです。

この蹴る瞬間の極々小さな違いによって、その後に大きく違いが出ることを、
これをカオス理論では「初期値鋭敏性」と言います。

ちょっと硬くて難しい話になってしまいましたけど、
バタフライエフェクトの映画の中では、
カオス理論の「わずかな違いで予測ができない」という概念をもとに、
ちょっとした違い(初期値鋭敏性)から、次から次へと異なる展開が起こるのです。

内容を話すとまだ観てない人にネタバレになってしまうので話しませんが。
予想外の展開はおそらくもっとたくさん起こりえる可能性があるんでしょうね。

バタフライ効果

バタフライエフェクトの映画を観る上でもう一つ出てくるワードが、
バタフライ効果」です。英語では「butterfly effect」と言います。映画のタイトルそのままですけどね。

バタフライ効果の意味は「初期値鋭敏性の性質の喩え」だと理解してもらえたらわかりやすいと思います。

この言葉のそもそもの由来は、カオス理論の基礎を最初に発表した、
気象学者のエドワード・ローレンツという人の論文からきています。
このときに発表されたローレンツアトラクタというのが蝶の容に似ていることに加えて、
「一匹の蝶の羽ばたきが、どこかで竜巻を起こすかもしれない。」という一説から、
「バタフライ効果」と喩えられるようになったようです。
なんともまーロマンチックな感じがしますよね。

ちなみに発表されたローレンツアトラクタの画像を観ると、どことなく蝶の容に似てますよね。
ローレンツアトラクタ

バタフライエフェクトの映画でも、バタフライ(蝶)をモチーフにしたり、
初期値鋭敏性の性質を表現した「バタフライ効果」をユニークに取り入れています。

あの時、あの場所、あの行動、あの言葉など、
ちょっとした事が、その後の展開に大きく異なる結果を引き起こしていきます。

自分自身の身近な事でも映画と似たようなことを感じることはあると思います。

例えばですけど、
もし友達に電話しなかったら、
もしテレビのチャンネルを変えていたら、
もしありがとうを言っていなかったら、
ちょっとした事ってありますよね?

考えてみたらけっこうあるんじゃないかなと思いますよ。

まー、こうして振り返ってみると、
バタフライエフェクトの映画は、どこか親近感というか、頭の中をそのまま映像にしているというか、これもあり得るあれもあり得るって想像が膨らんでくるんですよね。
でも実際にあんなにいろんな展開を体験できたとしたら、かなり怖いですけどね。

観てない人にネタバレしたくないので細かい話しはしないですけど、
エンディングはなるほどー、そうきたかーという感じでとても良かったです!

バタフライ効果はほかの映画でも!

バタフライエフェクト以外にも、
バタフライ効果のあの雰囲気を感じさせるようなおすすめの映画を紹介したいと思います。

ミッション:8ミニッツ「Source Code」
ストーリー:主人公のスティーブンスが目を覚ますと、そこはシカゴ行きの列車の中。
彼の目の前には見に覚えの無い女性。違和感を覚えながらも席を離れると、彼自身が別人であることを知る。その8分後、列車は大爆発。彼が目を覚ますと、そこは薄暗いシェルターの中。モニター越しに話しかける軍人の女性。そこで彼は列車を爆破した犯人をつきとめる任務を与えられる。そして彼は再び爆発前の列車の中に送り込まれ、犯人を捜し出すのだが。。。

この映画は列車の中が起点にしていて、そこから何度も何度も繰り返す間に、少しずつ変化が加わっていくことで、のちの結果が大きく変わっていきます。
バタフライエフェクトでは「過去から過去」と時間という軸を大幅に遡っていきますけど、この映画は列車の中という起点以上から時間を遡っていないのです。言葉で現すなら、同じ起点を少しずつずらしていくような感じではないでしょうか。

サウンド・オブ・サンダー
ストーリー:2055年、科学の高度な発展によりタイムトラベルに成功する。TIME SAFARI社は「TAMI」という独自に開発したタイムマシンを使い、白亜紀の恐竜を狩る「ハンティングツアーサービス」という企画で事業を展開し、富裕層の間で大ブームとなっていた。だがこのツアーには「白亜紀にあるものを持ち帰ってはならない」という厳密なルールがある。過去との干渉で歴史を変えてしまうかもしれないからだ。
ある日、ツアーの最中に携帯していた銃が故障し、恐竜に襲われそうになる事件が起こる。なんとか危険な状況を逃れ、ツアーから戻ることはできたのだが、その日の夜に異変が起きる。この異変の原因を探るべく添乗員のトラヴィス、「TAMI」の開発者であるソニア博士が実態の解明を開始すると、「白亜紀から誰かが何かを持ち帰っていた」ことを知ることとなる。

この映画のユニークなところは、過去、現在、未来の出来事が連鎖的に繋がっているという考えで、ほんの些細なことが自分だけでなく歴史をも変えてしまうという内容です。

ミスター・ノーバディ
ストーリー:舞台は2092年、人類は科学の進歩で永遠の命を手に入れる。
だが主人公ニモは「命に限りのある」人類の最後の人間として、人生の終焉を迎えようとしてる。人類最後のこの男はどう生きてきたのか。
男の謎めいた過去に人々の関心が高まる中、男は不可思議な人生を語り始める。

一つの選択がのちの人生に大きく影響を及ぼしていく、バタフライ効果を感じさせる作品で、あらゆる選択肢から派生する展開を、並行して描かれているとても印象深い映画です。

ほかにもバタフライ効果の性質をもとにした映画は多くあると思いますけど、
個人的には「ミッション:8ミニッツ「Source Code」」がおすすめですね。

まだ観てないよーという人はぜひ観て感想をください!

おわりに

バタフライエフェクトの映画でわかりやすいカオス理論とバタフライ効果でご紹介しました。映画って本当に面白いし、学ぶことも多いですよね!
本が嫌いな人は映画で学べ!じつは僕がそうなんですが。。。
ではお次も面白い映画やドラマを紹介いたします。

 - お役立ち情報